(11号掲載)
ここ鹿児島の老舗のデパートである山形屋が、金融機関への負債が360億円にのぼり再建に動き出したようです。再建計画に目玉となるような新しいことはなく、本当にうまくいくのかと不安な声もあります。
新しいことをやるのはどんなことでも難しいものです。若い人たちがなにか面白いことをしたいとなったときに、とりあえず新しくはじめるのがDJとフリーペーパーです。(もちろん偏見です。)私たちのZINE「やうやう」も同じようなものです。
ただ、多くのフリーペーパーは2、3回は発行されても、途中で載せる情報もなくなり、結局は「このまちは何もない、何もないけど人が財産!!」と中身のないことを言い出し、その地域で活躍している「人」に当たり障りのないインタビューをすることになります。
町おこしのためにやっているのだからと、行政から予算をもらって活動する道もあるようです。私たちはそのような道は選びません。なにもネオリベラリズム(※1)のように、行政やシステムに頼ることがダメと言いたいわけでもありません。
日本の労働生産人口は90年代に8000万人を超えてピークに達し、現在は約7000万人です。さらに30年後にはここから約3000万人も減ります。これは変更できない統計上の数字です。今でも人手不足で大変な状況にありますが、後から振り返ると「あの頃はまだましだった」となるのは目に見えています。そうなると今以上にシステムや行政に頼ろうという状況になるでしょう。
私たち「やうやう」は、自立した立場で独自の視点を持つことと、それを継続していくことに価値があると思っています。そのように活動してきたその他多くのものが地域の文化を支えてきたはずです。そう、それは100年以上の歴史がある山形屋がそうであったようにです。「やうやう」も自立はしつつも地域に愛される存在になりたいと思っています。
文・やうやう編集長 土屋耕二
(※1 政府による個人や市場への介入を最低限とすべきと提唱する経済学上の思想)
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