20号掲載

――ご出身はどちらですか?自転車部でのお立場はどのようなものですか?
出身は日置市吹上町です。
2021年に鹿屋体育大学を58才で早期退職して、「自転車活用での街創り」の会社を立ち上げました。
以前は自転車競技部の監督でしたが、現在は後援会長兼第二監督として、山口大貴新監督をサポートする立場です。
また山口監督は私の教え子なのですが、彼と一緒に非常勤講師として自転車の授業を受け持っています。
――大学で自転車の授業があるのですか?
はい。日本で自転車の授業があるのは、ここ鹿屋体育大学だけです。
科学の目で分析されるトレーニング、ルール、戦術、マネジメント等を網羅的に教育しています。
今年、自転車部は創部30周年ですが、全国チャンピオン75名(全国優勝350回)、更には昨年のパリ五輪迄、4大会連続延べ6名のオリンピアンを輩出するなど、国内最強のシステムを構築しています。
その成功に繋がったノウハウ、チーム運営に対する考え・心構え・心理等を、山口新監督と役割分担をしながら指導しています。
――毎日、恐ろしく暑いですが大丈夫ですか?
氷水を毎回用意して、休憩毎に全身を冷やしながら練習しています。
遠征で全国(47都道府県コンプリート)を飛び回って解ったのですが、実は真夏の暑さだけで言えば、気温35度前後で収まる鹿児島の方が、圧倒的に過ごしやすかったりします。南国なのに不思議ですね。
――指導にあたって気を付けていることはありますか?
「真剣に」「楽しく」「社会と共に」がチームの活動指針です。
上下関係に厳し過ぎる伝統的な大学スポーツとは対局にあり、一人一人の居場所を確保してあげることには気を使っています。
私たちが育てているのは選手ではなく、将来自転車(スポーツ界)で活躍し社会の役に立つ『人財』です。
その為にも競技活動と並行して、社会活動(ボランティア)にも力を入れています。
2001年からは、日本の大学スポーツで初めてとなる企業からのスポンサー支援制度を導入、今では一般的になりましたが、パイオニアとしての位置は不動です。
選手達には、地元の方々や企業様からの支援に感謝することを忘れないように日頃から話しています。
地域の自転車関連イベントへのボランティア支援は当然ですが、「ユクサおおすみ海の学校」に活動拠点を創り、2021年からは小中学生への自転車指導(毎週1回、年50回程度)も始め、地域との交流もより一層深めています。
このような活動を通じて大隅半島のみなさんから応援していただく機会が増えたように思います。あらためて感謝申し上げます。
文・やうやう編集部
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