(4号掲載)
皆さんはnoribar3というYouTuberをご存知でしょうか?毎日、高須海岸に出て夕日が沈むのを撮影して最後に「ありがとう」とテロップをつけてるだけの動画です。チャンネル登録が多いわけでもなく、内容も目を引くものとはいいがたいです。それでもその動画を見ているとnoribar3の日々の楽しみになっているのが伝わってきます。ビールを飲みながら焼きそばを食べる動画やご近所のお友達にインタビューしている動画もあり、人間いくつになっても好きなことをしていいんだなぁと元気をもらえます。
また、こんな話もあります。
ある日、私の職場に一人の男性が訪ねてきました。その方はうどんを食べながら喋るので、麺やえびが口から飛んでいます。
最後にブログを書いていると私に教えてくれたのが「観念の化物」というブログです。
実際にお話したときの印象もあり正直言って期待していませんでしたが、なんというか、すごいものを読んでしまったという感覚を覚えるブログでした。文章も長いし、決して読みやすいとはいいがたいですが、その方の内なる裂け目からこぼれ出す原石のような言葉が並びます。それは「観念の化物」にふさわしい何かがあります。きっと年齢と場所がちょっと違えば何かしらの表現者として結果がでていたのではないかと思わせる才能を感じます。
フィルターバブルをご存知ですか?ネットのアルゴリズムで、簡単に言えば見る人が普段から何を見て、何を検索しているかでコンテンツを表示したり遮断している状態のことをいいます。
例えば、ポータルサイトのニュースランキングですら見る人によってその並びが違うと言われています。ネットショップのレコメンド機能などの便利な面もありますが、「noribar3」や「観念の化物」には出逢うことはできないでしょう。
作家の猪瀬直樹は、「日本凡人伝」で、いわゆる高名ではない、凡人(常民)から話をきくことで、”グロテスクなユーモア、すなわち人間存在の裂け目が立ち現れる”と語っていました。
「やうやう」はこれからも私たち凡人の埋もれた表現を見つけ、紹介していきたいと思っています。今号もお楽しみください。。
文・土屋耕二

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